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2019 06/18

漫画「海獣の子供」最終話までの感想・意味の考察 神秘と怖さと美しさが導く結末 ネタバレ注意

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アニメーション映画公開記念でその原作漫画「海獣の子供」(作:五十嵐大介先生)が無料漫画アプリのマンガワンに掲載されていたので5巻最終話まで読んできました(※6月30日までの掲載)。
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マンガワン アプリ内イメージより引用

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海を題材にした物語ですがもっと深い生命の起源とか根源みたいな内容に触れていきますし難しい。
言っていることが難しいというよりは考察要素が多くて、でもフィーリングでも読めてしまうという不思議な話です。
ラストに「一番大切な約束は、言葉では交わさない。だから誰かに説明することも出来ないし、時に曖昧にしてしまいそうになる。」ってセリフがありますがまさにこれが一種の答えみたいなストーリーでした。

読みながら海と生命の神秘とちょっとした怖さに何となく触れることができますしそれが「海獣の子供」の楽しみ方の一つだとは思いますがそれでもやっぱりこれはこういう事じゃないんだろうか、って考察も出てくるのでそれを含めた最終話までの感想をまとめていこうと思います。

ネタバレ注意

海獣の子供とは あらすじ・最終話までの感想

女子中学生の琉花(ルカ)が夏休み中に不思議な少年「海」と「空」に出会ったことで謎が謎を呼ぶ生命の神秘の目撃者になるというストーリーです。
少年達の名前が示す通り海と空、そして本来は陸側の琉花がそれぞれ関係しあいながら展開が進んでいくんですがその合間合間に出てくる民俗・伝承も忘れてはいけない。
むしろ、それらの話が噛み合わさって「この話はあそこから来ていたのか…」って思うことも。
話の中心は子供達ですが大人も登場します。
ただ、なかなか思い通りに世界が進まないことに焦りだったり倦怠だったり不安を抱えている人が多く、それでも自分達がやらなければならないことのために動いたり動かなかったりとこちらもいい味を持っています。

あらすじについては14歳の少女である琉花が夏休み中に部活から謹慎を言い渡されたことで自由時間ができ、海と空に出会うってところからスタート。(大人になったであろう琉花が少年に語り掛ける場面からが本来のスタートですが)
時を同じくして世界各国の水族館から魚が謎の失踪を遂げる事件や空から飛来する隕石、本来はめったに見られないはずの魚が日本の海(江の島付近)にやってきてそれらは全てとある本番と予行演習とその演者に繋がっていきます。

結局一部の人しか知らない、けれどもそれの見たさからは抗えない、そんな事象の中心を琉花が垣間見るのですが…

海や水の描写は美しく怖い

キャラではなくて一般的な海、あとは台風時の雨など「海獣の子供」は水の場面が豊富です。
そしてこれらの描写が最高に見どころ。
激しい雨の中を移動する琉花はまるで水の中を泳いでいるような感じですし雨粒一つ一つは質量を持っているような表現でした。
そして海は綺麗で生命力にあふれている一方で怖い時もあります。
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海獣の子供より引用
特に光が届きにくくなった水の深さが描かれているところの吸い込まれそうな感じだったり海の巨大な生き物が描かれている部分はゾッとすることも。
水回りの描写は色んな表情をふんだんに覗かせますし臨場感溢れるので気づいたら没頭していました。
いずれにせよ圧巻であり圧倒されるのは間違いなしです。

大人と子供の違い

海獣の子供では大人と子供の差がはっきりと描かれているように思えました。
琉花の言い分もろくに訊かない部活動の指導教員、無関心な父親、アングにやけどを負わせた挙句結局目的の光景に辿り着けなかったジムなどなど物語のクライマックスとは遠ざかってしまう大人です。
琉花の母親はまたちょっと違っていて未練とか依存体質っぽい部分も見られますがこの先琉花が巻き込まれてしまうであろう予想を漠然と察知していました。
それによってデデと一緒に特等席から少しだけ離れた場所に行くことができます。

それで子供達。
具体的には海と空と琉花ですが彼らは物語の中心であり自然により近いです。
海と空は正体と言うか出生自体が一般的なヒトのそれではないのでまあわかるとして琉花は彼らとの出会いがきっかけで自然とは分けられていないヒトから海達側に少し歩み寄っていきました。
まあそもそも彼女自身はそういった星の元に生まれたような子ではありますが。

そしてその結果が特等席。
そんな感じで追い求めようとしていた・それすらも知らなかった大人達と子供達にとってはそれが幸か不幸かわからないにせよ、ほとんどの人々が見られなかった物を体感することができるかどうかの一つの差になっていました。
まさにデデが言っていたような「子供には子供の別の物語がある」です。

アングラード(アング)は子供と大人の境目みたいな印象でしたが彼も琉花側には行けずにいました。

デデの考え

個人的に特に面白いというかよくぞ言った!って思ったのはデデでした。
作中でもクジラは割と海洋の象徴として登場したりしますがデデがいるとそうじゃない、クジラが特別というのはあくまで人間から見て特別だから、それはすなわち人間のこと自体を至高にした前提があってのものだって考えが面白い。
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海獣の子供より引用
ジムとアングラードと最初は対立しつつ一瞬で彼らの答えの上にいきました。

地球にある生命は全て対等で世界の事なんてまだ未知が多すぎて何も知っちゃあいない、ジムが急ぎ過ぎているのは恐れているからって咎めたり(あくまで過去編ですが)とデデは登場して間もなく存在感を放ちました。

何より海中について人間はまだほとんど触れていない未知の世界ってことをすでに言っていてこの先見る超常現象を予感させます。
海の役割とは生命の源でありゆりかごというのをこの時すでに察知していたんだなぁって思いました。

各種考察と重要ワード

考察要素が多いのでとりあえず自分がこうじゃないかなぁって思ったことのまとめ。
間違っていたらごめんですしそもそも言葉で語る話でもないのでそういう考えもあるんだ程度の内容です。つまりここからはあくまで重要ワードの意味の解釈。あとは物語の整理のためのメモ。

生き物の誕生
当たり前のこととして生命はタンパク質ワールドやRNAワールドを経て自己複製・進化を繰り返して現在の営みがあると少なくとも科学に根差した知見の中では考えられています。
なので生き物と言うのはその母体から産まれる(あるいは分離)ので親と同じような姿形をしていてその子孫もまた同じ種類ということになっています。

ただ、「海獣の子供」ではその前提、つまりは「親は同じ種の子を産み、それらの生き物は親からしか生まれない」を根底から覆すってのを念頭に置いて読むことになります。
その話は最初の方からあって海自身ジュゴンに育てられたってジム・キューザックが語りました。

じゃあジュゴンが産んだのか、あるいは人が産み落としたのをジュゴンが世話をしたのか、ってことではなくて海洋そのものから産まれたのかもしれない、そうに違いないって話になっていきます。

正直追いきれないくらいの情報量とか伏線のような物がたくさん出てきますが「生き物の誕生が自分達の知っているそれではない」ってことを先ずは念頭に置いておくと少しは読みやすく(見やすく)なると思いました。もちろん科学的な否定も作中で出てきて、でもそれだけじゃ明らかに説明しきれない描写や存在の数々が「海獣の子供」の魅力の一つでした。

星の。
星々の。
海は産み親。
人は乳房。
天は遊び場。
という詩が冒頭から何回も出てきます。
最初の「星」は地球。
「星々」は生命、というかその種のようなもの。

海はその生命が現れる場所でしょうし、これは太陽の光に頼らない地球が生んだ生命にも関連してくるのだと思います。
熱水噴出孔の話がありましたがあの話は地球の出す物質のみで生命活動(硫黄を用いた化学合成細菌を利用)することができるチューブワームなどの生物に触れます。
海がこの惑星単独で生物を産むことができる場所だと説明するような内容の一つなのでそういった生命科学を踏まえながらこの詩を読みました。

人は乳房についてですがこれは「育てる者」を表しています。

天は生(陸または海)と死(海または陸)に関係の無い場所でそこで生命は輪廻の遊び場になる。
また、天にある星は迷わないための道しるべや隕石がある場所。
それと天=宇宙って考えると宇宙と人は同じって話が出てきます。
隕石を一時的に人の中で遊ばせておくって意味もある気がしました。

この詩自体は鯨のソングを人間の言葉に置き換えた物。
ただ、クジラのソングは海の膨大な記憶を幅広い音で表現しているものなので完全な置き換えではないでしょう。実際に空が言うように力を失ってしまっていますし。
海の幽霊(事の記憶)→鯨のソング→この詩という関連があります。

クジラのソング
赤ちゃんのお祝いと琉花が言っているように生命の誕生祭を喜んでいる、またはそれ自体を表現しているように思えました。

海の幽霊 生と死
海にすむ魚や哺乳類が見せる発光の事を海の幽霊と呼んでいます。
幽霊と聞けばすでに死んだ生物の残留ってイメージですが本作ではむしろ逆、あるいは同じ。
生きることと死ぬことを切り離して考えているのがジムを代表する人間ですが海と空は違います。
両方は連続した流転であり生と死は同一なんです。
なので光ってしまう海生動物は確かにその後消えてしまうように思えます(あと他の生き物が光を食べる)がそれは新しい生命の誕生につながるだけでした。
サンゴの産卵に比喩されている通りだったわけです。

海の生き物にとって陸の生き物は死の世界にいる存在、逆に陸の生き物にとっては海の生き物は死にまつわる存在、波打ち際は生と死の境目。
例えば死んでしまったらあの世に行く、でもあの世にもしも人の意思があって輪廻転生があるとしたらあの世からこの世に転生することはあの世での死を意味します。
こういった波打ち際の話からも生と死は表裏一体なんだなぁって妙に納得してしまいます。
空の言う「死は形を変える」、「自分の中に死なんて無い」って言葉が本当にしっくりくる。

要するに幽霊の意味の内の一つは「誕生前の生命」のようでした。

琉花のお母さんの出産のときのエピソードと合わせてこの辺りを振り返ると色んな見方ができそうです。
また、鳥もちょくちょく話に出てきますが鳥の場合はその両方の側を動くことができる存在でした。

加えて幽霊についてはデデの考えがハッとさせられて様々な物が起こしたアクションは限りなく小さな粒の振動として他の物に影響を与えます。
そういった物事の痕跡が蓄えられる場所が海中でありそこで永久に記憶される。
その記憶された「事」が幽霊なんだと。
そういった記憶、つまり幽霊にふとした時に出会ったのが琉花でした。

生き物が発光する描写は何回も出てきます。
その時見た光の記憶を持つ人も少しですがいて光をくぐった先に新たな命の誕生がありました。
胎内記憶を持つ子供はそのことを知っています。
海は彼岸、女の身体は彼岸からこっち岸に生命を引っ張り出す通路って話の通り突如発光して消えた生き物は新たな命となってこちら岸に出てきてその中で言及された一例が胎内記憶を持つ子供だったんだと思いました。

普段は見られない生き物の数々
深海だったり日本とは緯度が違う場所だったりと本来は物語の舞台に登場することはめったにないような生き物が頻繁に出てきますがそれは光になる人=海を見ようとしたためでした。

一方で光るのは見つけて欲しいからって話も納得で大勢に誕生を見てほしい、祝ってほしいのだと思います。

見ることとチャンネル
ジムと琉花の会話で特別なものを見たら自分の何かが変わるかもしれない、それは信号を受け取ってチャンネルが変わるテレビのようなもの、って話がありますがこれは琉花が今後その何か特別なものを見ることになる前触れでした。

40年前のクジラと「彼」と空
ジムがとある島に住み着いた時に出会ったクジラが空。
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海獣の子供より引用
そして、この世とあの世の間にいると思われる「彼」に姿を借りてしばし一緒に暮らし、やがて空になってジムと行動を共にしました。クジラ→彼→空には本来は生と死の区切りは無かったのにその区切りを作ってしまったのがジム。
「彼」が何者かを知ろうとしたのがジムの各地を転々とした冒険の始まりの一つでした。

ちなみに海はかつてはマダラトビエイとして生きたこともありました。

隕石
羅刹と宇宙支配心の精液のエピソードから出てきた隕石。
人魂とも表現されたこれが空、琉花、海に宿っていき、やがては生命誕生祭の中心になります。
関連するのは原初の水と原人。

実際のところは琉花のような人のあらゆる記憶を引き出して混ぜ合わたり海水の記憶を彼女に分かるように翻訳するという物質でただの岩石ではありませんでした。
口からあふれているように見えるのは海水なのかそれとも溢れる記憶なのかはちょっとわかりませんが個人的に後者だと思いました。

「彼」と海と空 リハーサルと本番
小笠原に漂着した変異体は「彼」の一種だと思いますがそれは卵巣の白体のようになっていました。
「彼」は元々は黄体、そんでもって空がいなくなったリハーサルと合わせて考えると打ち上げられた(波打ち際にやってきた)それらは月経として外にやってきた。
じゃあ本番、つまり出産は何かって言うと海が光ったアレってことなのでしょう。海のある星は原人の子宮って話題ともつながっていきます。
また、ジムとアングが南極に行った時に見た現象はその準備のための第二次性徴でした。

要するに
・南極で見たヘリコプリオン、怪獣の子供と証拠隠滅、女神が描かれた鯨など→第二次性徴
・空がサメや鯨に食べられるリハーサルや打ち上げられた「彼」達→月経
・琉花が見た光になった海→出産
で作中の時系列通りでは空~海にいろんなことが起こったんですがそれも人間などの生命システムと関連させると何が何のメタファーなのか考察できます。

698・45ヘルツの音
「天は遊び場」の話にも関連しますが星が死ぬときの音として698.45ヘルツの音、またはファの音が出てきます。
自分の重さに耐えられなくなって潰されるときの音は超新星爆発のことで確かに星の寿命は迎えますがその際にできた物質、特に原子量が大きな原子は新たな星の誕生の材料になります。
この流れも「海獣の子供」で起こる命の消滅と誕生に似ていました。

アングラード
アングは元々空や海、そして他の生き物のように言葉を用いない故に世界の事を余すことなく受け取ることができていた時期がありましたが言葉を獲得したことで型に嵌められ一般的な人間サイドの仲間入りをしました。彼は最終的にジムによって大やけどをして「昔は美少年」な人物となってしまいましたがジムとの会話では世界の在り方を知っている側と知らない側を繋いでいるような人物な気がします。

ラストシーン

実際はラストシーンの直前ですがそこはセリフがほとんど無し。
でもこれが良い、これで良い。
海の最期とこれからの始まりの中で琉花が目にする宇宙の真理と言うか多くの生命の過去と誕生と言うか…
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海獣の子供より引用
それらの情報を一気に見て、そして見られていて、現実に戻って海中を泳ぎながら小さな銀河のような光が漂って、彼女がつかめないままな描写とかもうとにかく圧巻。

それまでは証言だったり学術的な考察、民俗的な伝承をあれこれこねくり回してどこがどうハマるのか考えて読んでいましたがそれらを全て置き去りにする感じです。
口を開けたままただただ読み進めることしかできないようなシーンの連続ですしまさにこれがクライマックスです。
そりゃ世界中から好奇心に導かれて沢山の生き物が見に来るわけだわ。

「海獣の子供」最終話までの感想考察まとめ


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※どの漫画にも言えることですが掲載期間が終了している場合があります

そんなわけで海獣の子供の最終話までの感想でした。
難しい、けれども体感せざるを得ないような話でこの気持ちを書ききれませんが大切なことは言葉では交わさない、言葉に当てはめてはいけない、言葉にすることでそれ以外の部分を落としてはいけないからこれでいいんだ、うん、多分。

話の内容としては生命が生まれる場所を追い求めた、それがどういうものなのかってものでした。
アングが言っているようにまさに「誕生の物語」です。

「海獣の子供」で語られる宇宙とは望遠鏡などが発明される前の漠然とした世界、昔の人々が暮らしていた世界全体を指していました。こう思えば宇宙を一つの生命(とりわけ人間)に例えるとはどういうことか分かる気がします。
なので現代の人が知っている宇宙という言葉通りの意味とはちょっと違っていて最終話らへんで出てきたクラゲのエピソードもクラゲは世界の目(クラゲの思考部分に対してあまりにも視覚能力が高すぎることより)って思わざるを得ませんでした。

後半は特にそうなんですが感じることでそうなんだって納得してしまう、そういうメカニズムがあるんだとスッと思ってしまうような話です。
みんな同じところから来た=誕生した、その物語を追い求めていたジムとアングとそのカギとなるのが空と海。何百年何千年前の事を覚えているのは海の記憶に触れたのかそもそも生がぶつ切りになっていないのかあるいはその両方なのかなど生と死が語られますが死は決してネガティブじゃなくてあくまで誕生の一環でしかないってのがとても神秘的でした。

それと鯨が怖い。
特別じゃないと言っていたけれども特別と思わずにはいられないです。ザトウクジラもマッコウクジラ、ナガスクジラも出てきますがそれらは全て役割が違っています。
科学が発展して人間から見て高度な知能があるとかじゃなくてビーナスの誕生、歌を奏でる巨人と表現されていたようにもっと根源的な生命誕生を先導するような存在です。

昔の神話や証言も踏まえながらこの世界の仕組みが科学で少しずつ明らかになる以前の話を逆戻りして考えたくなるような物語で海/生命の未知とロマンと恐れとかがぎっしり詰まっていて気づいたらその雰囲気に浸りっぱなしでした。
合わせてどうぞ

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